アメリカの大学制度と入学要件。ランキング上位10校もご紹介!


アメリカの大学に留学をしたいけれど、大学の制度や入学要項がわからずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。ここではそのような人のために、アメリカの大学制度や入学要項、ランキング上位10校についてご紹介します。

カレッジと大学の違いについての2種類の定義

日本の大学にいくつかの種類があるように、アメリカの大学にも複数の種類があります。アメリカの大学は大きく分けると、カレッジとユニバーシティの2種類です。ここで注意しなければいけないのは、アメリカの大学制度においてカレッジには2つの意味があることです。

①単科大学=カレッジ

1つは学校の規模に関することで、アメリカでは、学部が一つしかない単科大学のことをカレッジと言うことがあります。それに対してユニバーシティは、大学の中に複数の学部が設置されている総合大学であることが特徴です。

 

大学院が設置されているかどうかによってカレッジとユニバーシティに分けられることもあり、一般的にカレッジには大学院は設置されていません。ユニバーシティは大学としての規模が大きい分、より細かく専門科された学問分野を勉強することができます。

 

アメリカにあるユニバーシティの中でも特に有名な大学の一つがハーバート大学で、英語でも「Harvard University」と書きます。アメリカ国内にある総合大学の中には、世界的にも高く評価されている学校が多くあり、アメリカの大学制度の中心となっています。

②2年生の大学=カレッジ

アメリカの大学制度において、カレッジにはもう一つの意味があります。それは、大学で教育を受ける期間によって、大学の種類を分類する方法によるものです。アメリカにおいてカレッジとは2年制の大学を意味することもあり、この場合には4年制の大学のことをユニバーシティと呼びます。

 

2年制の大学という意味で使用される場合、日本の大学制度における短期大学と同じような意味になりますが、日本の短大とアメリカのカレッジには大きな違いがあります。2年制大学としてのこの種類の大学の大きな特徴にあげられるのは、公立の学校が非常に多いことです。

 

公立の2年制大学のことを、アメリカの大学制度ではコミュニティカレッジと呼んでいます。コミュニティカレッジがアメリカの各地の自治体で作られているのは、地域住民に高度な教育を提供する教育機関が求められているからです。

 

コミュニティカレッジの運営は地元の自治体によっておこなわれているのが一般的で、運営のためにかかる費用も、住民の納める税金が使用されています。そのために、一般の4年制大学よりも安い費用で勉強ができるようになっています。

アメリカのコミュニティカレッジは安い?大学との学費の違い

コミュニティカレッジから大学に進学

アメリカの大学制度において、コミュニティカレッジは重要な役割があります。4年制大学に進学を考えている人の中にも、まずこうした学校で勉強をしてから、4年制の大学に編入することを希望する人が増えています。

 

コミュニティカレッジで勉強をする必要があるのは、アメリカの大学の教育レベルが高いことと大きく関係しています。いきなり4年制の大学に進学しても授業についていけないことも多いので、学力に自信のない人はまず地元の学校で勉強しているのが実情です。

 

コミュニティカレッジで勉強をすることで、アメリカ国内でも有名な4年制大学に進学しやすくなるメリットもあります。実際にアメリカのコミュニティカレッジの中には、特定の有名な4年制大学に毎年多くの学生を編入させているサンタモニカ・カレッジのような学校もあります。

 

アメリカのこうした学校の中には、大学進学コースの他に職業訓練のためのコースが設置されていることも多く、4年制大学に進学を希望しない人も勉強することができます。幅広い種類の職業訓練コースを設置している学校も多く、アメリカの大学制度における重要な教育機関の一つになっています。

アメリカのコミュニティカレッジに通うメリットとは?人気コミカレ10校も!

アメリカの大学の入学要件①英語力

アメリカの大学に入学して勉強するためには、大学の入学要件を満たしている必要があります。どのような入学要件が決められているかは、入学したい大学によってそれぞれ違いがあります。一般的に名門大学と言われているようなレベルの高い大学ほど、入学要件も厳しくなっていることが多いです。

 

アメリカの大学で留学生の入学要件に課していることが多いのは、英語の語学力です。大学に入学しても英語でおこなわれる授業についていけないのでは意味がないことから、入学前に志望者の英語のレベルを事前に調査しています。留学生の入学要件として多くのアメリカの大学で採用しているのは、TOEFLのスコアです。TOEFLとは「Test Of English as a Foreign Language」のことで、英語を母国語としない人を対象にした英語の能力のテストです。

 

入学要件として必要なスコアは大学のレベルによって違いがあり、アメリカの大学の中でも特に難関校として有名な大学の場合には、100以上のスコアが必要になる場合も多いです。それほど難しい大学でなければ、入学要件として必要になるTOEFLのスコアも低くなることが多く、80点以上が入学要件になっている大学もあります。

アメリカの大学の入学要件②GPA

アメリカの大学に留学するための入学要件として、TOEFLのスコアとともに留学生が満たす必要があるのは、高校のGPAです。GPAとはGrade Point Averageのことで、各科目の成績を使用して計算された学生の成績評価値の平均値のことです。

 

どれくらいのGPAが入学要件のために必要となるかも大学によって違いがあり、レベルの高いアメリカの大学の場合には、GPAが3以上必要になる場合が多いです。それほどレベルの高くない大学ならば、2.5以上のGPWが入学要件となっている場合もあります。

 

TOEFLのスコアが高い学生であっても、高校の成績が悪ければ入りたい大学に合格できない場合もあるので、留学を将来考えている高校生は、高校時代からしっかりと勉強をしておいた方がおすすめです。

アメリカの大学の入学要件③SAT

アメリカの大学に留学するための入学要件にSATのスコアが必要になる場合もあり、SATとはScholastic Assessment Testのことです。アメリカの大学に進学を希望する人を対象としておこなわれている試験で、日本各地の会場でおこなわれている試験では、全国共通の試験が出題されています。
アメリカの大学に進学!日本との違い、コミカレからの編入、ランキングなど徹底解説。

アメリカの大学ランキング上位10校

アメリカの4年制大学の中には、専門機関が作成したランキングで高い評価を獲得している学校もあります。大学のランキングは作成している団体によって評価が大きく異なっていることがあり、何を一番評価するかによっても、ランキングの順位は違ってきます。

 

ここでは、CWURの世界ランキングを参考にして、アメリカの大学ランキング上位10校を紹介したいと思います。CWURとは、アラブ首長国連邦にある団体が公表している大学の世界ランキングで、学術研究や入試難易度を重視しているため、進学したい大学のレベルを知るには最適です。

1位 ハーバード大学

2021年から2022年の世界ランキングで、この団体がアメリカの大学トップ1に選んだのはハーバード大学です。ハーバード大学は、世界全体のランキングでもナンバー1になっています。ハーバード大学はアメリカのマサチューセッツ州にある大学で、アメリカの大学制度においても非常に重要な役割を果たしている大学です。ハーバード大学は日本の大学で言えば東京大学のようなイメージがありますが、私立の総合大学であるところが東京大学との大きな違いです。17世紀に設立された非常に長い歴史を持つ大学です。

Harvard University 公式HP

2位 マサチューセッツ工科大学

2021年から2022年のCWUR世界大学ランキングで、アメリカの大学第2位にランクしているのは、マサチューセッツ工科大学です。マサチューセッツ工科大学は、世界全体の順位でもベスト2に選ばれています。マサチューセッツ工科大学はアメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジにある、私立の工科大学です。大学が設立したのは19世紀半ばのことで、150年以上の長い歴史を持っている大学です。アメリカでも有数の名門大学と知られていて、これまでに多数のノーベル賞受賞者を輩出した大学としても有名です。受賞者の数は大学ランキング1位のハーバード大学を上回っています。QSというイギリスの団体が公表している大学ランキングでは、2013年から2021年までこの大学が世界ナンバーワンに選ばれています。

Massachusetts Institute of Technology 公式HP

3位 スタンフォード大学

CWURがアメリカの大学第3位に選んでいるのは、スタンフォード大学です。スタンフォード大学は世界全体でもナンバー3に選ばれています。スタンフォード大学はカリフォルニア州のスタンフォードにある私立の大学で、1891年に設立されました。シリコンバレーの中心地に校舎があります。

Stanford University 公式HP

4位 プリンストン大学

CWURが2021年から2022年のシーズンでアメリカの大学ベスト4に選んでいるのは、プリンストン大学です。プリンストン大学は世界レベルのランキングでも、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学といったイギリスの有名大学に次いで、第6位にランキングしています。プリンストン大学は、アメリカのニューヨーク州にある私立の大学です。創立されたのは1746年で、250年以上の歴史がある学校です。この学校の学生数は、学部生がおよそ4800人程度で、大学院生は2000人程度です。アメリカ北東部にある有名な8つの私立大学の中でも、ベスト3に入る伝統を持っています。

Princeton University 公式HP

5位 コロンビア大学

CWURがアメリカの大学ベスト5に選んだのは、コロンビア大学です。コロンビア大学は世界全体のランキングでも第7位にランキングしています。コロンビア大学はニューヨーク州のニューヨークにあるアメリカの私立大学です。大学が設立されたのは1754年のことで、イギリスの植民地であった時代に設立されています。この大学が輩出したノーベル賞受賞者の数は100人を超え、アカデミー賞の受賞者も20人以上います。

Columbia University 公式HP

6位 シカゴ大学

CWURが2021年から2022年のランキングでアメリカの大学第6位に選んだのは、シカゴ大学です。世界全体では第8位の順位です。シカゴ大学はアメリカのイリノイ州シカゴにある私立の大学です。この大学の特徴としてあげられるのは、研究を重視していることです。ノーベル賞の授賞者も多く、これまでに100人以上の関係者が受賞しています。シカゴ大学は経済学の研究でも有名な大学で、この学校で教えている経済学にはシカゴ学派と呼ばれています。シカゴ学派の経済学は、アメリカの行政機関において、政策立案のために採用されることもあります。シカゴ大学のロー・スクールも全米で高く評価されています。

University of Chicago 公式HP

7位 ペンシルバニア大学

CWURがアメリカの大学ベスト7に選んだのは、ペンシルバニア大学です。世界全体でも第9位の大学に選ばれています。ペンシルバニア大学は、ペンシルベニア州のフィラデルフィアに所在する私立大学です。1740年に設立された非常に長い歴史を持つ大学で、アメリカ大学協会の創設時のメンバーの1校でもあります。大都市の中に校舎があり、研究を重視している大学院型の大学であることがこの学校の特徴です。

The University of Pennsylvania 公式HP

8位 イェール大学

2021年から2022年のランキングでCWURがアメリカの大学第8位に選んでいるのは、イェール大学です。世界全体では第10位に順位付けされています。イェール大学があるのは、コネチカット州のニューヘイブン市です。大学が設立されたのは1701年のことで、これまでにこの学校の卒業者の中から5人のアメリカ大統領が誕生しています。

Yale University 公式HP

9位 カリフォルニア工科大学

CWURがアメリカの大学ベスト9に選んだのは、カリフォルニア工科大学です。世界全体では第11位の順位です。カリフォルニア工科大学は、カリフォルニア州のロサンゼルス郡にある私立の工科大学です。アメリカ国内ではマサチューセッツ工科大学と並んで、工学と科学研究を専門にしている高いレベルの大学として知られています。英国の高等教育専門誌が選ぶランキングでは、1位に選ばれたこともあります。

California Institute of Technology 公式HP

10位 カリフォルニア大学バークレー校

CWURがアメリカの大学第10位に選んだのはカリフォルニア大学バークレー校です。数あるカリフォルニア大学の分校の中でも、このバークレー校が一番上位になっています。カリフォルニア大学はカリフォルニア州にある州立の大学で、このランキングの中で唯一10位以内に入った公立の大学です。

University of California, Berkeley 公式HP

州立大学のランキングは下記をご覧ください。

【アメリカ州立大学ランキング】トップ50校の特徴と授業料まとめ

まとめ

アメリカの大学の大学制度や、入学要件についてご紹介してきました。アメリカの大学は世界的にもレベルが高い大学が多く、CWURが選んだランキングでは上位10校のうち8校に、アメリカの大学が選ばれています。

酒井大輔

大学時代にアメリカ/カナダをバスで横断。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、ワシントン、ニューヨークなど様々な都市を3か月かけて巡りました。カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の付属語学学校に通った後、MBAに進学。家族と2年間サンディエゴで暮らしました。

カウンセラーに質問